2013-01-01から1年間の記事一覧

掌篇『日焼け肌のメランコリー』1,047字「第14回 てきすとぽい杯〈紅白小説合戦・白〉」14作品中2位※禁止文字使用により失格:無修正ホワイト露出賞

医者から聞いた話だが、直射日光に含まれる紫外線を浴びると健康に必要な栄養素が活性化され、心身ともに丈夫になるという。そのかわり浴びすぎると皮膚ガンになりやすいため、1日10分程度に留めておくのがちょうどよいそうだ。 なお窓ガラスは紫外線を通さ…

掌篇『アルファブロガー』779字「第14回 てきすとぽい杯〈紅白小説合戦・紅〉」12作品中11位

久々に更新したブログが炎上して、みるみる血の気が引いた。すっかり錆びきった心は脆くて、今にも崩れ落ちそうだ。かつてアルファブロガーと呼ばれていたせいもあって、長らくSNSばかりしている間中ずっと「ブログも書いて下さい」というメッセージが沢山の…

書いてなかったとは

はてなダイアリーと間違えている訳じゃなくて、普通にブログも書いたつもりでいた。新しいサービスを見つけると、とりあえず使ってみたりする性分なので。だけどブログの題名があるから、やっぱり使おうとはしたらしい。ダイアリーから移行すべきか迷ってい…

掌篇『3Dプリンタ2113』1,268字「第10回 てきすとぽい杯」16作品中14位

新型ウィルスを抱えた巨大隕石の落下によって、人類以外ほとんどの動植物が死滅した。人間だけ生き残れたのは、他の生物には含まれない抗体が存在したからだ。保存食で耐え忍びながら抗体について調査してみたところ、遠い昔に火星から飛来した隕石の中に起…

掌篇『最後に見たのは』1,000字「第8回 てきすとぽい杯」38作品中24位

地面に転がり口をパクパクさせて痙攣している哀れな金魚の姿にうなされて、目が覚めた。部屋が真っ暗なので置き時計を確認すると、深夜1時だ。金魚には何の思い入れもなく、どうしてそんな夢を視たのか見当も付かない。とりあえず最後に金魚を見たのはいつだ…

掌篇『宇宙的恐怖を克服するために』1,169字「第7回 てきすとぽい杯」13作品中8位

宇宙が恐くなったのは、いつからだろう。子供の頃は宇宙への感心が高く、児童向け百科事典の宇宙に関する巻を何度も読み返していた。当時は自分の知っている世界が狭すぎて、宇宙と地球と日本列島を隔てる垣根がなかったから、おそらくそのせいで宇宙だけを…

掌篇『眩暈の果てに』1,503字「第6回 てきすとぽい杯」13作品中7位&高濃度文体賞

緩やかに流れる有刺鉄線の間を潜ろうとして血まみれになった身体の置きどころに困り果てた挙句に脳味噌まで蕩けそうな熱気にやられ、むしろその脳が世界の空気を沸騰させているのだと気付いたが故に血潮が蒸発するのも無理はないのだからと思えば何もかも合…

掌篇『ガリレオ・ガリレイとガガーリンとガリガリ君とガリガリガリクソンについて』924字「勝手に連動 第5回ぽい杯スピンオフ賞」5作品中4位

ガリレオ・ガリレイとガガーリンは、僕の投稿した『地球は丸くなかった!』に出てきます。そこにガリガリ君とガリガリガリクソンを登場させることによって、スピンオフに出来たら良いのだけれど。なんて思いつつ書くことにしたものの、いったい何をどうすれ…

掌篇『地球は丸くなかった!』2,181字「第5回 てきすとぽい杯」10作品中5位&新・地球論賞

「地球は丸かった!」と言った宇宙飛行士の名前を調べようと思ってネットで検索してみたら、実は「地球は青かった!」という宇宙飛行士ユーリイ・アレクセーエヴィチ・ガガーリンの台詞を間違えて覚えていただけだった。とはいえ僕の他にも「地球は丸かった…

掌篇『悪文正機説』4,911字「我ながらホレボレする文体を自慢する大賞」12作品中10位

「文体障碍者」になってから二〇年もの歳月が過ぎた。もはや人生の半分を越えてしまった今となっては、健常者だった頃の自分が別人のように思われてならない。当時を懐かしんでみたところで元の文体に戻れるわけではないし、考えても無駄だ。文体障碍は見た…

掌篇『姫君と五人の侍』1,289字「第4回 てきすとぽい杯」21作品中7位

炎上した城を追われて命からがら逃げのび、偶然に落ち合った侍は五人。山道は二つに分かれている。どの道を進んだとしても敵陣の刺客が潜んでいるだろう。勝ち目のないことを知った殿は抵抗を諦め、武将としての誇りを保つべく討たれる前に家族ともども自害…

掌篇『今回の応募作は全て僕が書きました』2,225字「第一回 日本法螺小説大賞」10作品中2位&山田賞

題名に冠した応募作とは、この作品のみではなく、全ての作品のことです。作者名が違っているのは、複数のペンネームを用いたから。ここではTwitterのアカウントが作者名として使われているため、そんなことは不可能に思われるかもしれませんね。しかしTwitte…

掌篇『TPP』2,002字(※エロ注意)「「第三回 てきすとぽい杯」15作品中12位&時事テーマ賞

日本が参加することに対して賛否両論の「TPP」とは「当然ペニスぽろり」の略語だという。すなわちTPP参加の条件として「聖域」の問題があり、たとえばそれは食糧自給率が下がると国際関係に何かあった際、兵糧攻めになってしまっては困ることから、日本の農…

掌篇『AKB』2,698字(※エロ注意)「第二回 てきすとぽい杯」19作品中10位

「お客様の中にAKBのメンバーはいらっしゃいませんか」 飛行機での尋ね人といえば「お医者さま」が定番だと思い込んでいたが、何せ乗るのは久しぶりだから実際にはそうではないのかもしれない。とはいえAKBのメンバーを探さなくてはいけない状況とは一体、何…

掌篇『スパイ』555字「第一回 てきすとぽい杯」19作品中11位&お題の使い方が素晴らしかったで賞

「了解」 今回のミッションで初夢が死んだことを伝えに来たポップコーンに、振動は真顔のまま答えた。「奴はお前と同期だろ。他に言う事はないのか?」 「察してくれよ。ありすぎて何も言えないのさ」 「意外に良い奴なんだな」 「そうでもない。初夢を殺し…