Lady Gaga『Poker Face』レビュー

・アルバム『Fame』収録、Interscope、二〇〇八年

Poker Face

Poker Face

生肉ドレスなどハイパーなコスチュームやライヴ中にピアノを燃やす過激なパフォーマンスの奇抜さは、クラブで踊る女装ダンサー=ドラァグ・クイーンにも通じるが、セクシュアル・マイノリティを包括する用語「クィア」には「奇妙」の意味もある。芸名の由来はクイーンの名曲『Radio GAGA』だが、クイーンのヴォーカル・フレディがゲイだったように、アメリカにはプリンスやマリリン・マンソンなどセクマイ風のセンスを持つ有名ミュージシャンが多い。ガガ自身セクマイなのか不明なものの両性具有説さえ噂されている。親の都合により移民を繰り返してきた生い立ちを考えてみると常にマイノリティだったことは確かである。この曲はカジノでイカサマをする女性が思考の読めないポーカーフェイスで男の客を騙すという歌詞だが、恋愛のかけひきとのダブルミーニングでもある。そしてガガ自身も真意を悟られぬよう見た目の奇抜さで大衆を煙に巻くのである。(400字)

※批評誌『新文学04 現代文化のセクシュアリティ原発事故へのアクション』寄稿レビューと同じです。
松平耕一編(主催者ブログ:文芸空間
価格 :¥1,050
単行本:A5版、256ページ
出版社:文芸空間社(バックナンバー通販:文芸空間社購買部 )
発売日:2011/12/31
ネット通販:とらのあなWebSite
店舗販売:新宿 模索舎/阿佐ヶ谷 古書コンコ堂/ジュンク堂書店 大阪本店/全国 とらのあな
2012/5/6「第十四回文学フリマ」オ-41文芸空間社ブースにて販売(終了後、渋家にて交流会あり)