ネット画像「原発女体化」レビュー

忍法帖【Lv=31,xxxPT】ほか作者不明、二〇一一年

東京電力福島原子力発電所の事故に際し、女体化された原発イラストを描く者が大勢いた。制御不能の高温状態は性的発情を想起させると共に、原子炉の形状が子宮に似ているからだ。父なる大地が母なる海に溺れ、母性が暴発したと考えれば、人間の母親が敏感になるのも当然だ。父親も騒ぐのは母性に巻き込まれたからに過ぎない。こんなことを言ってると推進派と反対派の両方から非難されそうだが、それらのイラストを眺めているとどうしてもそう思えてくるのだ。もともと男は個体維持能力が低いわけで、男は出産できないからこそモノを作りたがるのである。科学の力によってファリック・マザーの聖域を侵そうとするマッド・サイエンティストは、母子相姦の禁忌を犯したオイディプス的な、あるいは当人が女体化したい倒錯性を持っており、尊重されるべきセクシュアル・マイノリティの権利を得ると共に、ヘテロなマジョリティの命を守る重責を負わなくてはならない。(400字)

※批評誌『新文学04 現代文化のセクシュアリティ原発事故へのアクション』寄稿レビューと同じです。
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