佐藤健寿『X51.ORG』」レビュー

・二〇〇二年〜 http://x51.org/

猟奇事件・死体写真・奇形写真・ビックリ人間・UFO・UMAなど、グロい事象ばかりを扱う特殊なニュースサイト。管理人・佐藤健寿はフォトジャーナリストでもある。取材活動をまとめた写真集出版のため五年前から更新は滞っており、トップページには〇七年までの記事が並ぶ。そのひとつ「娯楽殺人映像―スナッフ・フィルムは実在するか」では、特撮映像が沢山あったため本物の実在は都市伝説と思われていたが、中東テロ組織の斬首映像により一気に現実的なものになったことや、そもそも人類最初の劇映画は処刑動画だったことなどが語られている。グロに接するメリットは人類が生き抜くための知恵のヒントとなる点であり、医学など学術的にも無視できない側面も持つ。グロが苦手といっていては怪我の手当てや料理もできやしない。知る権利や表現の自由を重要たらしめるためには、何よりエグいコンテンツの存在が保証されている必要がある。(400字)

※批評誌『新文学03 革命×ネット×二十一世紀文化のエグいコンテンツ』掲載レビューと同じです。
松平耕一編(主催者ブログ:文芸空間
価格 ¥800
単行本:A5版、230ページ
出版社:文芸空間社(バックナンバー通販:文芸空間社購買部 )
発売日:2010/12/05
ネット通販:とらのあなWebSite
店舗販売:新宿 模索舎、中野タコシェほか