飯島愛『PLATONIC SEX』レビュー

PLATONIC SEX (小学館文庫)

・100字レビュー

AV引退後テレビに出ずっぱりだったが〇七年に突如引退、翌年急死した飯島愛の死は、モンローさながら謎に満ちている。写真やビデオなど二次元の虚像だけが遺されたが、彼女は「まんがの森」CMキャラでもあった。

・長文レビュー（400字）

九〇年代にAV女優だった彼女は、深夜番組『ギルガメッシュナイト』でTバック・アイドルとして人気を博し、AV引退後はタレントとしてテレビに出ずっぱりだったが、〇七年に体調を崩し突如引退、翌年に急死した。ゼロ年代は「AVに出ない飯島愛」の時代だったことになるが、本書にはAV時代の話も赤裸々に語られている。「読んでないから内容は知らない」と本人が暴露したように、インタビューを参考にゴーストライターが書いたらしいが、彼女を知る人々の証言によれば事実も多く含まれている。彼女の死には自殺や他殺説もあるが、警察発表では肺炎、痛み止めの副作用による事故とする医師の見解もあり、マリリン・モンローさながら謎に満ちている。二次元キャラは触れられぬゆえ神聖不可侵な崇拝の対象になりうると考えた場合に、アイドルも亡くなれば写真やビデオといった二次元の虚像だけが残る。そういえば彼女は「まんがの森」CMキャラでもあった。

※批評誌『新文学０４　現代文化のセクシュアリティ／原発事故へのアクション』寄稿レビューと同じです。
松平耕一編（主催者ブログ：文芸空間）
価格　：￥1,050
単行本：A5版、256ページ
出版社：文芸空間社（バックナンバー通販：文芸空間社購買部　）
発売日：2011/12/31
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