本橋信宏『なぜ人妻はそそるのか?「よろめき」の現代史』レビュー

・100字レビュー

難解な学術書と平易な入門書の狭間を「よろめく」いかにも新書的な着眼点に「そそられる」本。さらに「そそられる」のは早稲田卒の著者が村西とおるの相棒として編集長から男優までこなした呆れるほど経験豊富な所。

・長文レビュー(400字)

難解な学術書と平易な入門書の狭間を「よろめく」いかにも新書的な着眼点に「そそられる」本である。さらに「そそられる」のは早稲田大学卒業後の著者が、AVの父・村西とおるの相棒としてエロ雑誌編集長からAV男優までこなしたという、呆れるほど経験豊富なところ。まだホスト遊びが一般的でなかった時代に、雑誌コラムのネタに詰まり「大学生ホスト部」をでっちあげたところ、人妻からの問い合わせが殺到。人材不足もあって編集者の彼まで連日セックス、しかもホテル代などは全て人妻持ち。といった自慢話も随分あって胡散臭いが、姦通罪の廃止が既婚女性に自由を与えたことや「人妻のよろめき」なる表現は三島由紀夫美徳のよろめき』が語源など勉強になる情報も。オタク的な処女崇拝とは対極にあるが、ネット上の「NTR=寝とられ」系サイトにはアニメやゲームのキャラをモチーフにしたものもあるとか。「他者の欲望を欲望する」ということなのかな。

※批評誌『新文学04 現代文化のセクシュアリティ原発事故へのアクション』寄稿レビューと同じです。
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