松井優征『魔人探偵脳噛ネウロ』全23巻レビュー

魔人探偵脳噛ネウロ 1 (ジャンプコミックス)

魔人探偵脳噛ネウロ 1 (ジャンプコミックス)

何者かに父を殺された女子高生・桂木弥子が遺影の前で悲しみに暮れていると、机の引き出しからドラえもん、ではなく壁の中からホストみたいな青年が出てくる。ネウロと名乗る彼は、人間の悪意が織りなす「謎」を喰うため魔界から来た魔人。魔界の謎を喰い尽くして地上に来た。ペリカン風の顔に変化してクチバシから魔界道具を吐いたり、謎を喰ったりする。彼はヤコを探偵に仕立てるが、助手のふりをしている彼がヤコの言動を操っている。この関係は『名探偵コナン』のようでもある。探偵コンビは次第に名を馳せ、世界中の難事件を解決していく。ドSの彼が何かとヤコを拷問するのも見所。ヤコが受け入れているのは、ストックホルム症候群なのか。「ただしイケメンに限る」のかもしれない。魔人の風貌は『デビルマン』や『寄生獣』に通じる奇形ぶりだが、欲望にかられた悪人の見せる表情は時に魔人よりも悪魔的に描かれ、それら先行作同様のエグさを踏襲している。(400字)


※批評誌『新文学03 革命×ネット×二十一世紀文化のエグいコンテンツ』寄稿レビューと同じです。

松平耕一編(主催者ブログ:文芸空間
価格 ¥800
単行本:A5版、230ページ
出版社:文芸空間社(バックナンバー通販:文芸空間社購買部 )
発売日:2010/12/05
ネット通販:とらのあなWebSite
店舗販売:新宿 模索舎、中野タコシェほか