原作・大場つぐみ/作画・小畑健『DEATH NOTE』全13巻レビュー

DEATH NOTE デスノート(1) (ジャンプ・コミックス)

DEATH NOTE デスノート(1) (ジャンプ・コミックス)

警察幹部の息子・夜神月(ヤガミ・ライト)は死神が落としたデスノートを拾う。名前を書くだけで人を殺せるノートと知ったライトは悪人を殺し続け「新世界の神・キラ」を名乗る。名探偵エルはライトこそキラと目星をつけるが証拠が掴めない。天才少年二人の駆け引きは熾烈を極め犠牲者は増えてゆく。本作で注目を集めた作者コンビは、漫画家の出世物語『バクマン。』を連載中。そこに登場する架空のコンビ漫画家はライトとエルに少し似ているものの関連はない。けれど両者は漫画への執念で繋がっている。名前を書かれた人物が公衆の面前で急死するアイディアがどこから来たか考えた際に、本作発表の少し前『ワンピース』映画記者会見場でジャンプ編集長が急死した事件を思い出さずにはいられない。身内の死まで漫画に反映させるエグさは、ライトとエルの冷酷な正義感や『バクマン。』における恋愛のもつれまでをも漫画を作る肥しにしてしまうタフさにも通じる。(400字)

※批評誌『新文学03 革命×ネット×二十一世紀文化のエグいコンテンツ』寄稿レビューと同じです。

松平耕一編(主催者ブログ:文芸空間
価格 ¥800
単行本:A5版、230ページ
出版社:文芸空間社(バックナンバー通販:文芸空間社購買部 )
発売日:2010/12/05
ネット通販:とらのあなWebSite
店舗販売:新宿 模索舎、中野タコシェほか