村上かつら『サユリ1号』全5巻レビュー

サユリ1号 v.1 (ビッグコミックス)

サユリ1号 v.1 (ビッグコミックス)

サークルクラッシャー系女子」という言葉を流行らせた作品。T大生の上田直哉は、オナニーのオカズに使う架空の理想女子をサユリと名付けていた。直哉が部長を務める海洋冒険同好会に入会してきた後輩の大橋ユキは、顔も声もスタイルもサユリそのもの。しかもT大のミスキャンパス。ところが誰とでも寝るヤリマンと判明。直哉もユキに誘われるが、他の奴らのように安易に接したくないと悩む。幼馴染の児玉友子は直哉に恋心を持っていたが、ユキにうつつを抜かす直哉に愛想を尽かして行きずりの相手に処女を捧げる。男女両方の痛さを描ける村上かつらユニセックスな作風から性別が気になるが、非公表である。他の漫画家のブログで女性と暴露されたこともあるが、一巻の帯にてロックバンドくるり岸田繁は男子に違いないと寄せている。ミスキャンの性生活が世間に知れ渡る最終話が掲載された『スピリッツ』が「ミスキャングラビア特集号」だったのもエグい。(400字)

※批評誌『新文学03 革命×ネット×二十一世紀文化のエグいコンテンツ』寄稿レビューと同じです。

松平耕一編(主催者ブログ:文芸空間
価格 ¥800
単行本:A5版、230ページ
出版社:文芸空間社(バックナンバー通販:文芸空間社購買部 )
発売日:2010/12/05
ネット通販:とらのあなWebSite
店舗販売:新宿 模索舎、中野タコシェほか