岡本太郎『明日の神話』

テレビ東京美の巨人たち』で紹介されていました。ちょうどテレビを付けたら前の番組が終わるところで宣伝されていたので、録画予約もしつつリアルタイムでも視聴。この頃テレビは3日に1回位しか観ないもので、本当に偶然でした。

これがどうしてそんなに気になったかというと、番組でも紹介された京王井の頭線渋谷駅の通路で実際にこの絵を初めて見たのも、これまた偶然だったもので。井の頭線沿線に住んでいるので、一昨年までは通勤経路でした。渋谷勤務が半年、お台場と新橋がそれぞれ3ヶ月の計1年くらい。けれどもあの絵が設置されてからは、せいぜい2ヶ月に1回くらいの頻度。それでもまあ地理的なことを考えれば見かけて当たり前なのですが、タイミングがミラクルだったといいますか。忘れもしないファーストコンタクトは『ピカソ展』に出かけた日だったのです。『ゲルニカ』への対抗心で描かれた『明日の神話』に、初めてピカソを観にいく途中で出会ってしまったというのは、どうにもフシギなことだなあと。

そういえば、40年近くも行方不明だったあの絵が発見されたニュースは、『たけしの誰でもピカソ』で知ったんです。岡本太郎の娘・敏子さんが「是非とも日本で公開したい」と言っていたのを覚えています。ちなみに「娘」と書きましたが血縁関係はなく、戸籍上は養女だけれど実質的には奥様とのこと。彼女は見つかった絵画の修復中に夫の待つ遠いところへ旅立たれました。積年の願いが叶って、やっと顔向けが出来たということだったのかもしれません。

それにしても『太陽の塔』と制作時期が重なっていたというのには驚きました。啄木の代表的な短歌の多くがわずか2日の間に詠まれたように、名作が生まれる驚異の2年間だったということでしょうか。ちなみに30年以上も非公開だった『太陽の塔』の内部が見学できることを知りました。そのうち観にいけるといいなあ。いや、その前に『ゲルニカ』だろうか。『ピカソ展』ではかなりの作品が展示されていたものの『ゲルニカ』はなかったもので。けれども今回のケースを考えると、先に『太陽の塔』を見ないといけなくなりそうな気も。。。