小春日和

春分の日を目前にして早咲きのサクラを見かけた。

長生きできないだろうという不安を漠然と抱えている僕は、お年寄りを見かける度に羨ましく思う。必ずしもいいことばかりの人生ではなかったのだろうけれど、平均寿命より長生きできればそれは幸福なことだ。連日こんなにも事故や自殺や殺人の報道がなされているというのに、少なくともそこで命を終えてはいないのだから。さすれば夭折の死者なら、こんな僕でさえ羨むのかもしれない。そういえば今日からお彼岸である。

先に散る運命にして一刻をもてはやされし早熟の華