【GEISAI#12レビュー:E-051〜E-060】

E-051【牛saeki】
女の子はオカシで出来ているから、オカシくなくても笑うことが出来る。マネキンのボディやピンクのパンプスだって女の子。男が履いても同じこと。性は後天的に発明される。

E-052【+7a】
揺らぐカタマリに色がないのは、やはり中心点に吸い込まれてしまったのだろう。そのうち私も絵の中に入り込んでいるに違いない。

E-053【寺嶋悠里】
アンニュイな表情とアートの相性がいいのは当然。アートとは気だるい退屈から逃れるテクニックの別名に他ならない。うたかたの音楽や花々とともに、儚い人生が緩やかに流れてゆく。

E-054【石田直之】
迷路ゲームにゴールがなければ売り物にならないが、迷路アートなら話は別だ。目指すべき方向など知る由もない。どうやって迷い込んだかすら分からないのだから。

E-055【横倉裕司】
デコラティヴな動物たちの表層は、さながらネイルアート。自らの肉体だけでは飽き足らず自然の産物まで飾り付けることで、地球の所有権を誇示する人間の傲慢さ!アートはヒトを、神の視点に誘う。

E-056【移動マッサージ】
コミカルな眼差しのキャラたちが、いたずらっ子のように伸び伸びと存在する空間。少年の夢は終わることがない。

E-057【並木亜希子】
野生動物は常日頃、何を考えているのか。ムツゴロウや森本レオにだって分かるとは思えないのだけれど、分かろうとする前に、まずは見つめるべきなのだ。

E-058【高野幸三】
そもそも色彩そのものが生物だったのである。細やかな描線それ自体がキャラクターの本質なのかもしれない。

E-059【水谷まどか】
夜露に光る蝶のリンプンは、娼婦の本音を隠すのにうってつけのコスメ。目ざとく飢えたオオカミに見えるのは、ただの肉体だけ。

E-060【でこ】
スマイルで和む人ばかりではなく、機嫌を損ねる人もいる。「普通」が一番コワいのかもしれない。