【GEISAI#12レビュー:E-041〜E-050】

E-041【角野充】
「押し花」は生きているのか、死んでいるのか。それでは空は? シュレディンガーなら、どう答えてくれるのだろう。

E-042【大山千恵子】
球体の重なりは色によって宇宙や細胞、果実や水泡と変幻自在に姿を変える。この世を司る永遠のイコン。

E-043【本多孝男】
分断された九つの五角形は、立方体から切り出された。それぞれに樹木の枝か針金にも似たデザインが踊る。様々な物理現象を圧縮したクールな「神の視点」に、眩暈がする。

E-044【TAISO】
秋の収穫を喜ぶ農村の民か、はたまたビッグバンで誕生した我々の祖先か。よもや地球の最後という可能性も。始まりも終わりも似たようなもの。

E-045【福田大将】
自身の墓碑を描くことで、集う人々の態度から作者が見えてくる。消しゴムが消し去ったのは仮初の姿だけで、筆の軌跡は消える事がない。ヒトも同じだ。

E-046【ITO YASUHIKO】
和紙の千切り絵でアメリカを描く。より一層その国を裸にすることができる。

E-047【佐藤はなみ】
子供のいたずら書きこそが世界を正確に捉える絶好の技法だと、ピカソは考えた。そこから突きつけられるものは時に辛い現実だけれど、インナーチャイルドはきっと喜んでいるはずだ。

E-048【MIHO+TUBASA】
どうして犬と少年は闘ったのか。なんか知らないが、泣ける。とにかく犬は敗北し、少年の行方は知れない。脱ぎ捨てられた胴着に勝者の誇りはない。どうせ最初からいなかったのだろう。犬も少年も。

E-049【青木正樹】
大きなベニヤ板に描かれた家。アリストテレス風に見れば、それは建築部材のエイドス。夢みるベニヤ板のファインライフ

E-050【minako】
飛んで逃げることが出来るというのに、鳥がカワイイ必要があるのだろうか。カワイイことに理由なんかなくて、むしろカワイイことが目的なのかもしれない。