KOBO CAFEのミステリイベントに参加

開店時間の13時から冊子購入者を対象にしたミステリイベントが開催されるとのことで。楽しみにしていたものの連日の夏日の暑さもあってランチついでのシエスタとばかりに惰眠を貪っておりましたらば既に15時半。とりあえず冊子は残っているだろうと16時半ごろ中野に着いたのに古本を漁ったりしていて店に着いたのが18時半。

何やら出入り口を行き交う人がやたら多く、イベントはまだ終わってない模様。過去に例を見ないほどの人の多さに驚きつつ席に着いて店内を見回してみると。大抵いらっしゃる渡辺浩弐さんと柴山佑紀さんと今回のイベント主宰者でもある北山猛邦さん以外にも、乙一さんや佐藤友哉さん、松原真琴さん、太田克史部長の姿が。殺人事件の発生現場という設定らしくVIPルームが封鎖され、床には人型にテープが貼られている。

イベント参加方法は冊子の小説を最後まで読めばわかるとのこと。北山猛邦さん書き下ろしの小説タイトルは『KOBO CAFE殺人事件』。閉店時間まで1時間半しかないことだし、イベントは参加しなくてもいいかなと思いつつ目を通していたら、何とイベントに参加しなければ肝心の謎が解けないことが判明。せっかく買ったミステリ小説のオチが分からないままで帰るわけにもいかない。

先客の方々の行動を見ていると、謎を解く為に店外に出る必要があるみたいだ。珈琲とお菓子が残っているが、閉店まで1時間もない。ヒントを掴むなりすぐさま外に出られるようにと、とりあえず会計を済ませた。「店外に出るまでは片付けないで置いて下さい」と伝えてヒントの在り処を物色。外に出る理由が分かったので残りの珈琲を飲み干してから、いざ出陣! と思いきや、テーブルの上には何もない。これも何かのヒント? いやまさか。

店員さんに聞いてみると「お会計が済んでいたので片付けました」とのこと。残しておいてほしい旨を伝えたら「はい」と返事していたはずなのに。人が多くて騒がしかったから、別のことと聞き違えたのだろうか。500円ごときで目くじら立てるのも大人気ないし、何より時間がない。とにかく店外に出ては見たものの、何だかうまく頭が働かない。店を出る前に残りの珈琲で一息入れる予定が台無しになったので混乱し、取り乱してしまっているようだ。深呼吸して少し落ち着いたら、どうにか暗号の意味が半分だけは分かった。

他の人たちは地図を持っている。地図がないと駄目なのか。そういや店の入口にあったなと思って戻ってみたが、全て捌けていた。階段途中の地図置場をチェックしながら暗号が示唆する階に向かうも、地図が1冊も無い。ブロードウェイビルには何度も来ているし大丈夫だろうと高を括りつつ件のフロアをうろつくも、何も見つからない。これは困ったとばかりに再び店に戻って店員さんに聞いてみたら案の定、地図がないと無理とのこと。解答者が使い終えた地図を譲り受けてみたら、あまりに呆気なく解明。この時点で閉店30分前過ぎ。

次の暗号を発見したはいいが、イベント終了時間が閉店30分前に設定されていたことを知る。まあ景品は貰えなくても構わないけれど、未解決のままでは金を出して冊子を手に入れた意味が無い。閉店時間に間に合えば答え合わせ位はしてくれるだろう。次のヒントを得て店に戻ったら閉店時間を過ぎていた。だけどまだ答えを伝える人の列が終わってない。まだ締め切っていないのか。何とかなるかと思って次のヒントを得ることに成功。答えを伝えようと思ったが、伝えるべき情報は「犯人の名前」ではないとのこと。店内の暗号から推測された書籍を見ればいいのかもしれないと本を探していたら「もう終わりなんで」と非情な言葉が。

「まだ謎を解いてないんですが、答え合わせとかないんですか?」と聞いたら「ありません」とツレない返答。せっかく買ったミステリ小説の謎が分からないままになるとは思いもよらなかった。ビル内を走り回って疲れ果てたこともあり意気消沈しつつ帰宅。あとで調べたら、翌日にネタバレ・イベントがあったとのこと。まあしかし、某探偵と名前が似ているくせに推理力に欠けている自分が悪いのであって、イベントや作品に罪はない。答えがないまま放り出された方が、より文学的であるとの解釈だって、できなくはないのだ。全ては藪の中。