埋立地の怪談

日曜日は仕事だったのですが、夕方17時15分ごろのことですかね。職場のあるビル前に設けられた喫煙所で一服していたときのことです。少し離れたところにある柱にもたれて煙草を吸っている男性の姿が何気なく視界に入ったところで、奇妙な違和感を覚えたのです。

何だろうと思ってよく見てみると、半ズボンから出ている彼のヒザから、まるでペニスのような形状の突起物が出ているのです。病気か何かだったらマズいかなと後ろめたく思いつつも怖いもの見たさで目を凝らすと、突起は複数あって「手」のような感じでした。ただ、彼の手にしては、位置が変なのです。それに、ヤケドを負ったような皮膚の色とパンパンに膨れた形状が、先ほどのビロウな印象の原因でした。

柱の陰に誰か居るのかもしれないと念のため回り込んでみたものの、誰もいません。そうこうするうち吸殻を棄てた彼が振り向いて僕の目の前にやってきました。しかし、彼のヒザには、何もついていなかったのです。……あれは一体、何だったんでしょうか。