嘘のような著作権の話

前々から知られていたことなのかもしれませんが、このところ嘘のような著作権がらみのニュースが多いようです。


まず驚いたのが、来年からJASRACが音楽だけでなく漫画や文芸、写真、絵画などありとあらゆる著作権を管理するという話。松本零士御大の件が関係あったりするんですかねえ。


次にTSUTAYAが4月からコミックの貸本サービスを始める件。貸本屋さんというとレトロなイメージですが、2月から許可制になるみたいですね。立ち読みし放題で込み合っているBOOK OFFの牙城を崩すことになるんでしょうか。


最後に政府が絶版本をネットで無償公開できるよう著作権法を改正しようとしているというニュース。確かGoogleが可能な限りの出版物を洗いざらい機械を使ってスキャンしまくって全文検索やらイメージ検索できるようにする手法での広告戦略を考えているという話と関係があるのかもしれません。既に英語圏の学術系書物に関しては着手済みだったと思います。確かに便利ですが、色々と問題がありそうではありますね。


そういえば著作権保護期間を著作者死後50年から70年に延長するなんて話もありました。アメリカの場合、ディズニーの著作権が切れそうになるたび延長され続けて現在は死後90年ということで、ミッキーマウス保護法なんて呼ばれていたりするそうですが、日本だとディズニーの著作権は既に消滅しているとのことでディズニーの初期アニメDVDが500円で販売されていたりすることも関係ありそうです。


70年に延長されることで著作権が復活する作家に歿後59年の太宰治が含まれるのも気になるところ。太宰の本名である津島家に婿入りした津島雄二氏が自民党の議員なわけで、太宰の恩恵に預かりたいという考えから政策を推進している可能性もあるんじゃなかろうかなどと勘ぐってしまいます。対して歿後 80年の芥川や歿後91年の漱石は適用外なので、漫画家の夏目房之助には1円も入らないわけです。そもそも遺族の生活を守る目的の法律ですから、70年というのは長すぎる気もしますね。