通風の名月

昨日は中秋の名月だというのでお団子を買っておいたのだが、何はなくとも酒がなくては月見も盛り上がるまい! とるもとりあえず暴風雨のなか端麗辛口の酒と、ついでに禁煙の身ながらショートホープを買いに出かけた。ボクサーパンツの縫い目にまで沁みるほど全身ぐしょ濡れで帰宅するなり一升瓶をそのままあおれば、ここぞとばかりに通風の発作。豪雨のただなか足指の激痛に耐えながら、男は思った。どんなに酒があっても、月がないんじゃ月見にならないじゃないか! 自棄になって煙草をくゆらしながら雨にけぶる彼の背中は、煤けて見えました。ここまで創作。そんなわけで昨日はお団子を食べませんでした。禁煙は失敗したようです。これは事実。