『華氏911』

マイケル・ムーア監督の『華氏911』が気になります。9・11同時多発テロ事件の黒幕がジョージ・ブッシュだという噂は以前よりありましたが、この映画ではかなりその説の裏づけに繋がる事実が明かされているそうです。世界的大問題にまで発展した地球規模の事件ということを考えれば、これは単なるゴシップということでは済まされない問題です。


ちなみに『華氏451』といえばSF小説の大御所レイ・ブラッドベリのベストセラー小説で、フランソワ・トリュフォー監督によって映画化されたことでも有名ですが、「思想統制言論弾圧の恐怖」がテーマだったはずです。読書は罪とされ全ての本は「焚書官」によって華氏451度の炎で焼かれ、市民は下らないテレビ番組しか見ることを許されないという未来の話です。下らないテレビ番組、なんて書くとよくないかもしれませんが、いかに活字離れした視聴者が多かろうとも曲がりなりにも作家たる放送作家あってこそのテレビ番組ですから、読書を禁じられた世界で作られるプログラムが下らないものばかりになるだろうことは目に見えています。


今ではテレビも映画も本も既成だらけですから、唯一自由といえるのはインターネットだけとも言えるかもしれませんが、それも危うい傾向になりつつあります。そういえばこのインターネット自体が元々はペンタゴンのミル・ネットに由来するものだったことを考えてみると、電脳空間をアジトとしていると言われているタリバンとブッシュの間に繋がりがあっても、決して不自然ではないのかもしれません。


この『華氏911』はディズニーが配給を降りたことでも話題になっていますが、ここ最近のディズニーは他にも何かとすったもんだがあったそうです。セル画をやめてCG一本にするということでセル画アーティストをリストラする一方で、自社でCG制作を手がけるからと『ファインディング・ニモ』のCG制作に貢献したCG製作会社との契約更新を一方的に取りやめてしまったりしたという話です。ビジネス的戦略ということでやむをえないという言い方もできますが、現在のディズニーの社長は実写映画の失敗で大損失を出しているとのことですから、手放しで応援できる人ともいえないんだそうです。ちなみにこのディズニー裏話は、『SPA!』か『アスキー』の最新号に書かれていたゴシップ記事からの引用です。色々と書きましたけれどもディズニー映画で好きなものもたくさんあります。たとえばCG技術の全くなかった時代に制作された映画『トロン』の擬似CG映像には、子供心にも大変興奮しました。今見てもレトロフューチャリズム溢れるサイケな傑作といえましょう。これからもそういう作品を作っていってほしいものです。


ところで以前から気になっていたんですがディズニーとドリームワークスはライバル関係にあるともいえる間柄のようですが、ディズニー製作の『スーパーマリオ』とドリームワークス製作の『メン・イン・ブラックⅡ』ってストーリーがそっくりじゃなかったでしょうか? あれはどうしてなんでしょう? 記憶違いかもしれませんので、またあとで調べてみようと思います。