YUKI『ハローグッバイ』レビュー

・作曲：蔦谷好位置、アルバム『joy』収録、エピックレコードジャパン、二〇〇四年

ハローグッバイ

〇一年に解散したジュディマリのヴォーカル・YUKIのソロ8枚目のシングル。花王「エッセンシャル ダメージケア」CMにも使われた。全ての出会いや別れは無駄じゃないとする歌詞は、発売四ヶ月後に二歳直前の息子を突然死によって亡くし重みを増した。医療が発達する以前は母子ともに出産時の死亡率が高く、男が危険な仕事をすることで男女の人口差が保たれた側面もあるだろう。しかし女性上位の今は男が生き残れない。椎名林檎やCharaなど有名シンガーがシングルマザーになりがちなのは、妻の甲斐性がありすぎていたりダメ男を好きになってしまうせいもありそうだが、YUKIとYO-KING（元・真心ブラザーズ）夫妻が第三子まで授かり結婚生活十年を超えられたのは、息子を失った時にツアーを中止した夫の人柄もあるように思う。愛を育むという点では恋愛も子育ても同じであり、それはバカップルとモンスターペアレントの相似にも見て取れる。（400字）

※批評誌『新文学０４　現代文化のセクシュアリティ／原発事故へのアクション』寄稿レビューと同じです。
松平耕一編（主催者ブログ：文芸空間）
価格　：￥1,050
単行本：A5版、256ページ
出版社：文芸空間社（バックナンバー通販：文芸空間社購買部　）
発売日：2011/12/31
ネット通販：とらのあなWebSite
店舗販売：新宿 模索舎／阿佐ヶ谷 古書コンコ堂／ジュンク堂書店 大阪本店／全国 とらのあな
2012/5/6「第十四回文学フリマ」オ-41文芸空間社ブースにて販売（終了後、渋家にて交流会あり）