Gackt『Vannila』レビュー

・アルバム『MARS』収録、日本クラウン、一九九九年

Vanilla

Vanilla

ヴィジュアル系バンド「マリス・ミゼル」ヴォーカルとして彼がデビューした時に、その完璧なまでに美しすぎるルックスに度肝を抜かれた者は多いのではないか。テレビで深夜に彼らのPVが流れていて歌声を聴いても性別が分からなかった。彼の声は低めだが宝塚の男役にも近い。男だけで行われてきた歌舞伎というより男宝塚である。西洋風の顔立ちをした銀幕スタアは昭和の頃に多かったが、彼の中性的で退廃的な感じは美輪明宏を彷彿とさせる。本来の醤油顔をメイクでカバーしているという説もあるが定かではない。ファイナルファンタジーなど彼を模したキャラが登場するゲームは幾つかあるが違和感ないほどの美形である。大河ドラマ風林火山上杉謙信役も見事だった。実はデビュー遥か以前の十代の頃に結婚と離婚を済ませていたというミステリアスさも。僕を君の「ヴァニラ」に見立てるこの曲は特にセクシーだ。音楽的にはBOØWY岡村靖幸を連想させる。(400字)

※批評誌『新文学04 現代文化のセクシュアリティ原発事故へのアクション』寄稿レビューと同じです。
松平耕一編(主催者ブログ:文芸空間
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