アニメ『ハウルの動く城』レビュー

・監督:宮崎駿/原作:ダイアナ・ウィン・ジョーンズスタジオジブリ、二〇〇四年

ハウルの動く城 [DVD]

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帽子屋で働く少女ソフィーは魔女の呪いで老婆の姿となり、イケメンの魔法使いハウルの住む「動く城」に辿り着く。部屋が汚いので大掃除をしたら魔力に影響が出て髪の色が変わってしまい「美しくなければ生きている意味がない!」と憤るハウルに「私なんて美しかったことなんか一度もないわ!」と逆切れするソフィー。女は美しく男は逞しくなんて発想は性差別的だが、いわゆる美女と野獣カップリングを良しとする風潮はそこかしこに見受けられる。作者がイギリス人女性なのも関係あるにせよ、宮崎駿が選んだ理由も気になる。「howl」は「吠える/怒鳴る」といった動物的な仕草を意味する英語で、実際ハウルは野獣と化して戦いつつ自らの美に固執することで理性を保つ。ソフィーは「sophia」のフランス語読みで「英知」を表す。「philosophy」は「哲学」とも訳されるが本来「英知愛」であり、有機的に蠢く野性の城は英知によって愛を育む。(400字)

※批評誌『新文学04 現代文化のセクシュアリティ原発事故へのアクション』寄稿レビューと同じです。
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