高橋留美子『境界のRINNE』既刊11巻レビュー

境界のRINNE  1 (少年サンデーコミックス)

境界のRINNE 1 (少年サンデーコミックス)

・100字レビュー

うる星やつら』でオタクに支持された高橋だが性別の入れ替わる『らんま1/2』の後『犬夜叉』では女子中学生の下に半妖のイケメンがやってくる設定に。本作も同様にイケメンの死神が来訪。すっかり逆転している。

・長文レビュー(400字)

八〇年代年に少年向けの『うる星やつら』と青年向けの『めぞん一刻』をかけもち連載し、女性でありながらオタク受けのする萌えキャラのセクシー描写が支持された高橋だが、八七年の『らんま1/2』で性別の入れ替わる主人公を描いた後、九六年の『犬夜叉』では女子中学生かごめの下に半妖のイケメンがやってくる女性向けにも思えるような設定に変化。次に始めた本作も同様に霊感少女・真宮桜の下にイケメンの死神・六道りんねが来訪するスタイル。『うる星やつら』では女性が宇宙人だったことを思えば、すっかり逆転している。このことは少年漫画誌の読者に女性が増えるなど、デビュー当初に比べ男女の棲み分けがなくなってきた影響もありそうだが、本来描きたかったものを描けるようになったのかもしれないと考えたら、ファンとしても嬉しい限りである。そもそも女が男を意識したり、その逆に男が女受けを狙ったところで、無理が祟れば台無しになるのだから。

※批評誌『新文学04 現代文化のセクシュアリティ原発事故へのアクション』寄稿レビューと同じです。
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