月刊漫画雑誌『まんがグリム童話』レビュー

・100字レビュー

BLやTLとは別に過激な性描写を含むレディコミも忘れてはなるまい。古今東西の童話や民話や伝説をグロテスクかつエロティックに描き替える二次創作の読み切り作品が中心。多くの姉妹誌もあり無視できない世界だ。

・長文レビュー(400字)

ゼロ年代の特記事項として女性が堂々とポルノを読むようになった流れが確かにあり、一方で電子書籍の売上の多くは女性向けポルノだったりもしているから隠れて読む者も多いようだ。中でも即物的な性描写に特化した腐女子向けのボーイズラヴ(BL)や、マセガキ向けのティーンズラヴ(TL)が話題になりやすいが、それとは別にハーレクインロマンスの流れを汲み、過激な性描写を含むレディコミも忘れてはなるまい。月刊漫画雑誌『まんがグリム童話』は、古今東西の童話や民話や伝説をグロテスクかつエロティックに描き替えた、二次創作の読み切り作品を中心としている。エロスとタナトスが表裏一体なことを地でいっている感じだが、女性文化の闇の深さに唖然とさせられる男性読者もいるかもしれない。とはいえ特に官能的な作品を厳選した『増刊まんがグリム童話Love&Sexy』など多くの姉妹誌もある人気の程からすれば決して無視できない世界でもある。

※批評誌『新文学04 現代文化のセクシュアリティ原発事故へのアクション』寄稿レビューと同じです。
松平耕一編(主催者ブログ:文芸空間
価格 :¥1,050
単行本:A5版、256ページ
出版社:文芸空間社(バックナンバー通販:文芸空間社購買部 )
発売日:2011/12/31
ネット通販:とらのあなWebSite
店舗販売:新宿 模索舎/阿佐ヶ谷 古書コンコ堂/ジュンク堂書店 大阪本店/全国 とらのあな
2012/5/5「COMITIA100」委託販売予定「スペースNo未定」駕籠真太郎先生の公式HP【印度で乱数】原画通販も。