田中貴子/田中圭一『セクシィ古文』レビュー

セクシィ古文 (メディアファクトリー新書)

セクシィ古文 (メディアファクトリー新書)

昔から「秘するが花」というように下ネタは大っぴらに話すべきものではなく思えるが、それと同時に古来より尾籠なネタは消費されてきたことを説明してくれる本書は、古典に詳しい国文学者と手塚治虫そっくりの画風に定評のあるギャグ漫画家がタッグを組んだもの。メディアファクトリー新書の創刊第一弾なのは、性風俗を語る上で古典を読まずには始まらないという編集側の意向もあるのだろう。『古事記』に出てくる神には途中まで性別がなかったが、イザナギの「余れる処」でイザナミの「合わぬ処」を「差し塞いだ」のが日本初のセックスであり、更に『日本書紀』によればセキレイがチュンチュン啼く動きからセックスの方法を思いついたというから「朝チュン」の起源かもしれず。その他『源氏物語』のBL『宇治拾遺物語』のオナニー『今昔物語集』のスカトロなど下ネタの宝庫であり、今や世界語となった「HENTAI」の精神は有史以来続く日本の誇りなのだ。(400字)

※批評誌『新文学04 現代文化のセクシュアリティ原発事故へのアクション』寄稿文と同じです。松平耕一編(主催者ブログ:文芸空間
価格 ¥ 1050
単行本:A5版、256ページ
出版社:文芸空間社(バックナンバー通販:文芸空間社購買部 )
発売日:2011/12/31
ネット通販:とらのあなWebSite
店舗販売:新宿 模索舎/阿佐ヶ谷 古書コンコ堂/ジュンク堂書店 大阪本店/全国 とらのあな
2012/2/5「COMITIA99+コミティア13」委託販売「スペースNo:あ12b」駕籠真太郎先生の公式HP【印度で乱数】原画通販も。