映画『魍魎の匣』初日舞台挨拶@新宿ミラノ1

2年前の『姑獲鳥の夏』に続き、今年も行って参りました。

前回は「ぴあ」のチケット予約を逃したものの窓口販売のみのスーパーペアシートを買えたので並ばずにゆったりと観られたのですが、今回は関係者席以外は全席ぴあチケット。予約時間に電話とネット両方でアクセスしたところ、ネットはどうにか繋がったものの立見席しか残ってなかったので、いったん諦めました。ヤフオクで入手しようと5列目くらいを狙うも、ペアだと1万円超えたりするので、流石に高いなと再び挫折。午後の部は安いものの舞台挨拶が上映前なので、おそらくネタバレありの午前の回の方が内容的に楽しめるかなと思い、再三出直し。結局は即決案件に的を絞り、18列目12・13番のほぼ会場のど真ん中位のそこそこいい席を落札しました。ちょっと誤算だったのは、近ごろ視力低下が半端じゃなくて、舞台挨拶どころか映画のスクリーンまでぼやけていたこと。さすがにメガネ作らないとなあ。オペラグラスという手もありますけど。

原作は荒唐無稽と思えるまでに無謀な設定をミッシリ詰め込んだ、箱のように分厚い本。連続バラバラ殺人事件・少女2人の友情・伝説の映画女優・売れっ子小説家・謎の新興宗教・第2次世界大戦・マッドサイエンティストといった一見バラバラの符号を、変幻自在の筆さばきで痛快にリンクさせてみせた労作。いかにして映像化するのだろうかと不安でしたが、壮大なロケーションと緻密な映像技術で、細部まで見事に再現されていたのには驚きました。かなり制作費もかさんだのではないでしょうか。ストーリーは京極堂の薀蓄や登場人物のエピソードを端折りつつつつも上手く纏まっていたようです。しいていえば、後半寸詰まりだったかも。上映時間の問題でカットされた場面が結構ありそうなので、DVD化されたらディレクターズ・カットがあるかなあ、なんて期待しています。

ちょっと疲れたので、以下とりあえず、メモ。

黒木瞳の女優役の存在感は、すごかった。クドカンのニヒルで不気味な演技も良かった。京極堂と関口、榎木津と木場、青木と敦子のやりとり等で、ギャグが冴えてました。研究所がナゾータワーみたいだったw 舞台挨拶では椎名キッペイが関口になりきっていたのが面白かった。原口監督の「本物の映画を撮った」というメッセージが熱かった。田中レナの「大人の秘密基地」という印象が、まさに映画自体のテーマに通ずる気がした。パンフには椎名林檎京極夏彦の運命的な関係について書かれていた。

京極堂シリーズは各作品ごとに完結しているようでいて、実は全編を束ねる裏テーマが見え隠れしている点が凄い。戦中戦後のゴタゴタと妖怪を絡めつつ、何処かへ向かっている。731部隊や皇室がらみの話もあり、そのうち昭和の妖怪=岸信介が出てきたりするんだろうか。京極堂シリーズ3作目『狂骨の夢』は、キリスト教精神分析に挑む野心作。映画もずっと続いてくれるといいなあ。

てなわけで、また後で加筆します。