読まず語り(1)佐藤友哉・笙野頼子

三島由紀夫賞を受賞したユヤタンこと佐藤友哉の『1000の小説とバッグベアード』。『新潮』掲載の冒頭部分と書店で30秒ほどナナメ読みしただけで語るのはおこがましいけれど、インテリ源ちゃんの『盛衰史』にそっくりだと思った。オマージュどころのレベルじゃない気もするが、世代の違いが功を奏したのだろうか。これまたネット検索で何となく感じたことだが、構造主義にどっぷり浸かったオトナたちが「やっと『小説』を書ける様になったか、ユヤタン」と嘯く一方、ラノベ志向の若者たちは「ユヤタンどうしちゃったの訳わかんない。ちゃんと『小説』書いてよ」と嘆く。ジャパニメーションやらIT革命の余波によるものか、『小説』という現象に対する世代間イメージは、真逆といっていいほどにまで変容してしまっていたのだ。こういった状況下においては、もはや文学資産の継承作業は困難を極めかねない様相を呈しているのかもしれない。

ところで文壇唯一の新人賞三冠王笙野頼子はスゴイ。特に芥川賞三島賞は性質が異なると云われているにも関わらず、どちらも無視できなかったのだから。偉業を成し遂げたのは10年以上前なので、まあ今更の話なんですが、その後も言葉の威力が衰えないのは神がかり的。W村上と同世代デビューなのに沈黙の10年を経て唐突に怒涛の名作ラッシュとなった怪異。金毘羅フェチで猫好きなところも含めて、流石に文学界の妖怪である。。。って何を書いてるのかわからなくなってきたw まあ、いつも通りの穀潰しの暇潰しということでご勘弁ください。