去勢されし牡猫に枕を奪はれて寝苦しきかな抜歯せし夜

というわけで、5月末頃に右奥歯2本を抜歯しました。


1本は数年前に激痛に苦しんだ挙句ペンチで引き抜こうとして失敗し根元だけになっていた手遅れの虫歯で、もう1本は唯一生えていた親知らず。歯とともに気も抜けたような状態で帰宅したところ内縁の妻に「去勢された猫のようだ」と云われ、さもありなんと思いました。


歯が生え変わる第二次性長期といえば、生えてくるのは永久歯だけではありません。男子は精通、女子なら初潮を迎える時期です。そんな多感な年頃から、逝く精巣もとい幾星霜。大人になってからの抜歯に去勢にも似た感覚を覚えてしまうのは、別段不思議なことではないのかもしれません。


さやうなら、そしておつかれさまでした! 苦楽分かちし僕の奥歯よ!