チェット・ベイカー・シングス/包丁間男

「チェット・ベイカー・シングス」


3年前に相模大野の2LDKを引き払った際に蔵書とCDコレクションの殆どを売り払ったわけですが、結局その後も時間をかけながら買い戻している次第でありまして、50枚程度所有していたジャズコレクションが懐かしくなって少しずつ買っています(最初はアナログで集めていたのですがプレイヤーの針が高いのもあってCDに移行しました)。


そんなわけでいま手元にあるのは、唯一手放さずにいた「チャーリー・パーカー・ウィズ・ストリングス」、先月買ったビル・エヴァンス「ワルツ・フォー・デビイ」、昨日買って来た「チェット・ベイカー・シングス」の3枚です。他に気になっているのはマイルス・デイヴィス「リラクシン」、ソニー・ロリンズ「サキソフォン・コロッサス」、「ジョン・コルトレーン with ジョニー・ハートマン」、ペギー・リー「ブラック・コーヒー」、ファッツ・ナヴァロ「ノスタルジア」、チック・コリア「リターン・トゥー・フォエヴァー」あたりです。


チェットの魅力は何よりもアンニュイで中性的な声とストイックな演奏から産まれる静けさの中に潜む激しさ、といったところでしょうか。基本はロマンティシズムでしょうね。


「包丁間男」


テレビで桂文珍の寄席を見ました。今で言うところのタイガー&ドラゴン・寅さんと龍っつあんが出てくる上方落語です。スラップスティックギャグの合間に手練た小唄まで聴かせてくれるという粋な演目でした。


途中のくだりで拍手が出ていましたが、よく出来たアレンジネタが成功したせいだったように思えました。お客さんがオリジナルを知っていなくては出来ない合いの手だとすれば、通人ならではの反応といえましょう。