佐世保の事件と魍魎の匣

佐世保の事件が報道された頃、ちょうど京極夏彦の2作目『魍魎の匣』の終盤、12歳の少女2人の屈折した関係が暴露される辺りを読んでいたもので、驚きました。実はこの小説、冒頭で鉄道事故の場面があるのですが、そこを電車の中で読んでいたら本当に人身事故で電車が止ってしまうという偶然も起きていたもので、それもあっての印象でした。それでちょっと気になってこの作品に関する何らかのいわくでもないものかと調べてみたところ、作中に登場する相模湖の取材予定日に、作中同様にバラバラ死体が発見されてしまい、それで取材を取りやめたんだそうです。全て偶然の産物かもしれませんが、そうと言い切れる保証もなく、何だか薄ら寒さを感じてしまった次第です。しかしながらちょうどこういった共時性シンクロニシティ)の問題解明についての話が今読んでいる3作目の『狂骨の夢』に出てくるようなので、どういう解釈がなされているのか楽しみにしているところです。