韓国映画『猟奇的な彼女』レビュー

・監督:クァク・ジェヨンアミューズ・ピクチャーズ、二〇〇〇年

猟奇的な彼女 [DVD]

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韓流ブームはNHKで放送された『冬のソナタ』の影響もあるけれど、本作は冬ソナが作られる前年から既に人気で、〇八年にはTBS系列でドラマ化もされた。2ちゃんねるから派生した『電車男』より前にネット小説を原作としていた点も興味深い。そもそも韓国にはネトゲ廃人ネチズンによるネット論壇など、日本のオタクよりアメリカのギークに迫る勢いでネット文化が発達しており、冬ソナのように懐かしさを喚起させるばかりが韓流の良さというわけではないことは、K-POPの先進的な音楽性からも分かる。「猟奇的」といってもスプラッタホラーではなくサディスティックというニュアンスで、要はツンデレという意味でも時代を先取りしていた。日本の古い映画を観ると今と雰囲気が違いすぎて本当に日本かと思うこともあるが、韓流びいきの今のテレビを観ても外国にいる気分になってくる。しかし以前は欧米の情報が多かったことを思えば、大きな違いはない。(400字)

※批評誌『新文学04 現代文化のセクシュアリティ原発事故へのアクション』寄稿レビューと同じです。
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