掌篇『雨の日は動けないから』

 部屋に籠りきりで小説を書き続けている。「これぞ晴耕雨読って奴だな」と思ったら「雨の時こそ畑の様子が気になるもんだ。農業なめてんじゃねーぞ」って脳内農家に叱られた。続けざま「雨の日は書くのではなく読むのだよ」脳内小説家にたしなめられて。「晴れは仕事、雨は読書。いつ小説を書けばいいのですか?」「貴様の頭は救いようのないほど曇っとるな」なるほど曇りか。でも此処には窓がないため書くのを止めて途方に暮れる。